[WELL-BEING TECHNOLOGY] 第3回トークセッション動画の見どころ特集

[WELL-BEING TECHNOLOGY] 第3回トークセッション動画の見どころ特集

本特集について

こんにちは、HAL編集部です。
この度私たちHALは、株式会社JTBコミュニケーションデザイン様と株式会社加工技術研究会様が主催する展示会「WELL-BEING TECHNOLOGY -マテリアルと情報技術で拓く豊かな社会-」のメディアパートナーとして、ウェルビーイング特集を毎月更新します。今回は9月配信の動画について見どころをご紹介いたします。
今後も配信される動画の見どころや、展示会の見どころを発信してまいりますので、是非チェックしてください。

展示会「WELL-BEING TECHNOLOGY」概要

近年、ウェルビーイング社会への関心の高まりとともに、身近な暮らしの中でひとに寄り添う新しい製品・サービスが注目を集めています。さわり心地のよい素材や快適な空間デザインとその評価技術、工場やオフィス・ 公共空間で活用が期待される協働ロボット、人間拡張技術、またXR技術で実現する新しい働き方など、ひとの健康や心地よさ、幸福度につながる視点での製品・サービス開発に取組む企業が増えています。当展示会ではこの分野に光をあて、「ウェルビーイング」と「産業」を結びつける場と して、2024 年に新規展示会「WELL-BEING TECHNOLOGY(略称:ウェルテック)」として初開催します。

【開催日時】
2024年1月31日(水)~ 2月2日(金)10:00-17:00

【会場】
東京ビッグサイト 東ホール

第3回トークセッション動画「ひととロボットの新しいコミュニケーションのかたち」

トーク登壇者

ナビゲーター
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
人間情報研究部 感覚共鳴グループ
上席特別研究員
渡邊 淳司 氏

【専⾨領域】
ソーシャルウェルビーイング論
個人それぞれのウェルビーイングとチーム全体のウェルビーイングをどのように捉え、充足していくのかを探求する領域。

ポジティブコンピューティング
人の心理的ウェルビーイングと人間の潜在力を高めるテクノロジーの設計・開発を探求する心理学とHCIの融合領域。

触覚情報学
触れる感覚の特性に基づき、人と人をつなげる触覚コミュニケーションの原理の探求やそのためのテクノロジーを研究する領域。

スポーツの身体的翻訳
スポーツの動きの本質を別の動きに変換(“翻訳”)し、手軽にスポーツを体験したり、目の見えない人と一緒にスポーツ観戦を楽しむ方法論。

渡邊淳司 研究サイトより引用

ゲスト

パナソニックホールディングス
ロボティクス推進室 室長


安藤 健 氏

研究分野

  • ロボティクス
  • 人間機械協調
  • Well-being
  • 生体計測

安藤 健/ロボット開発者 note

見どころ

第3回のテーマは「ひととロボットの新しいコミュニケーションのかたち」。
パナソニックホールディングスにてロボティクス分野に携わる安藤氏をお招きし、人とロボティクスの繋がりを軸に、人に寄り添うロボットの存在や役割などについて語っていきます。
製造や物流の現場など産業用のイメージが強いロボットですが、現在では人の作業を代替したり、コミュニケーションをサポートしたりと、人々の暮らしにどんどん入り込んできています。そしてロボティクスもまた人の暮らしを便利にし、心を豊かにするウェルビーイングに貢献する大きな技術です。
ロボットが暮らしの中で当たり前に存在する社会へ変化すると共に、人がロボットに対する物理的・精神的な関わり方の変化にも、今後さらに関心が集まるでしょう。その新しいコミュニケーションの形を想像させるセッションの中から、一部をご紹介いたします。(記事化に当たり一部表現を変えている箇所がございます)

ロボットを取り巻く技術や環境の変化

渡邊:安藤さんのご紹介の中で、「くらしのインフラ」という言葉がとても印象的でした。例えば家の中では色々な物がたくさん床に出ていたり階段があったり、外には水たまりがあるといったように、「くらし」の中で整っている環境は、実は少ないのだと思います。同時に、人が扱っているものは洋服や食べ物などほとんどが柔らかいものです。ウェルビーイングは日常生活と切り離せない、「くらし」の中にあるものだと考えた時に、ロボットが柔らかいものを扱えるようになったことや、行きにくい場所にも行けるようになった背景には何かあるのでしょうか。

安藤:そうですね。技術的にはやはりAIなどのテクノロジーの実力が、かなり上がってきたということがまずあります。これまでロボットが導入されている環境は、渡邊さんが仰ったように環境が一定にコントロールできるという前提があり、基本一定で硬質なものしか扱えなかったのが、最近ではAI的な部分やそれを支える信号処理や半導体の性能もかなり上がってきました。その中で、ものの変形や環境が一様ではないところでも、リアルタイムに安定した信号処理ができるようになってきたのが技術的に大きなブレイクスルーだと思いますね。ただ現実にはまだ難しい点もあるので、ロボットを導入するためには不定な要素を如何に減らしていけるのかを考えることになりますし、逆にそれらを減らせるような環境からどんどんロボットの活用が広がっていくのではないでしょうか。

渡邊:昔は、ロボットは間違いを起こしてはいけない存在という雰囲気が強かった気がしていますが、今だと、生活の中で何かを一緒にする存在のような感覚が強い気がしています。実際に今までで、例えば暮らしの中で使ってみたらこうだったとか、柔らかいものを使ったら失敗してしまったといった事例があったら伺いたいです。

暮らしの中で生まれるロボットとのコミュニケーション

安藤:色々な事例があると思いますが、皆さんが考える「人と機械がどのように歩み寄り、暮らしの中に入っていくのか」という点で一番イメージしやすいのは、やはりロボット掃除機なのではないでしょうか。多分お持ちの方はよくわかると思いますが、うまく掃除できなかったことや、どうしてこんなところで止まってるんだみたいなことがあり、正直性能がまだまだな部分もあると思います。こんなことを言ったらロボット掃除機の開発者に怒られるかもしれませんが(笑)。そういう中でも基本的にはやっぱり人側が頑張るんですよね、ああいうのって。要はロボット掃除機が掃除しやすいように事前に部屋の片付けをしましょうとなる。でも最近では他社製品の名前が使われていますが「ルンバブル」というキーワードが段々使われるようになってきて、ネット上でもルンバブルな家具と謳うようなものが売られています。ロボット掃除機が入っていきやすい背の高さのソファーや、テーブルの下もちゃんと椅子を避けられるように椅子がかけられるテーブルといった形で、人が暮らしている環境をうまく整えることでロボットの性能やテクノロジーの特性を上手く引き出してあげるような、相互の歩み寄りが今ようやくいろいろなところで始まりつつある気がします。

渡邊:サービスをする機械というよりパートナー的な要素を強く感じるのは、自分から動くロボットだからなのでしょうか。動かない掃除機に歩み寄ることはあり得るのでしょうか?

安藤:それは結構難しい問題ですね。やはりロボットが持っている魅力があると思っています。それはいわゆる生命感というか生きているものみたいな存在であるが故に、当然好きな人もいれば嫌いな人も出てくるかもしれませんが、単純に便利な道具という以上の存在として捉えやすい、動くというのはそういう要素を持っている気がします。

渡邊:なるほど。だから道具的に機能を拡張する話よりも、同居しているパートナーとして、それ自体が動くことや表情があるといったことが、ウェルビーイングにとって大きな意味を持っているのかなと思いました。

安藤:そうですよね。単純なものというよりは、例えば顔のようなものがついているものは最近多く見かけますし、飲食店でよく使われているロボットは猫型だったりするのですが、やはり工夫と言いますか人がこれと絡んでみたいと思う広い意味でのデザインは最近とても進んできたように思います。

後半では気になるコミュニケーションロボットの話から、ロボットに対する人の気持ちの変化や役割について発想が刺激されるようなセッションが続きますので、続きは動画でチェックしてみてください。

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