BMI技術を応用したリハビリ機器の開発を行うLIFESCAPESが総額7.2億円の資金調達を実施

BMI技術を応用したリハビリ機器の開発を行うLIFESCAPESが総額7.2億円の資金調達を実施

この記事の要約

  • BMIを活用したリハビリ機器を開発しているLIFESCAPLE社は、2022年6月に8社から第三者割当増資により総額7.2億円の資金調達を実施
  • これまでの研究・開発と共に進めていた製品化および量産化を進め、販売活動に向けた体制構築を行っていく予定

7.2億の追加、累計9.6億の資金調達

2022年6月20日にて株式会社LIFESCAPESは、株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ、三菱UFJキャピタル株式会社、日本ベンチャーキャピタル株式会社、Beyond Next Ventures株式会社、フューチャーベンチャーキャピタル株式会社、日揮みらい投資事業有限責任組合、CYBERDYNE株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社を引受先とする第三者割当増資により、総額7.2億円の資金調達を実施したことを発表しました。今回の調達により、LIFESCAPES社の累計調達金額は9.6億円となります。
LIFESCAPES社は、これまで本医療機器の試作検証を通じて、製品化・量産化を進めており、今後は第三者割当増資によって調達した資金をもとに、医療機器認証の取得とその後の販売活動に向けた体制構築を行っていくとのことです。

株式会社LIFESCAPEとは?

LIFESCAPES社は、BMI技術を活用し、脳が従来もつ「可塑性」という性質を引き出すことで、重度麻痺の残る患者のQOLの改善を目指す慶應義塾大学発の企業です。同社が開発中の医療機器は、BMIを活用したリハビリを繰り返し行う中で、麻痺患者の生体信号から機能代償回路の活動を検出します。麻痺部に装着したロボットに代償回路の活動を反映させ、脳と麻痺部位をつなぐ神経回路の再構築を促します。この神経回路の再構築により、ロボットを外した状態でも患者の意志で麻痺した手を再び動かせるようになることを目指しています。

まとめ

LIFESCAPES社は、脳科学とAIが融合したBMI技術を用いて脳と機械を繋ぐことで、脳卒中後の重度麻痺のリハビリの可能性を拡げ、患者さんの希望を実現するサポートを掲げています。また、可塑性を引き出す技術を通じて「一生治らない」とされていた重度麻痺を改善できる世界に貢献するというビジョンを持っています。
BMI技術は、ウェアラブルと違って利用することに躊躇いを持つ人がまだまだ多いのが現状ですが、この重度麻痺のリハビリに活用することは、当事者の方々にとって大きな希望となるでしょう。人間拡張技術とは超人的なものを作るテクノロジーではなく、重度の障害や様々な制約から解放する手助けとなるテクノロジーです。同社の製品が実際に医療現場で利用できる時には、利用する人々がBMI技術に対しての恐怖心より、自身の身体に対する希望を抱くことを期待したいです。

【参考情報】
BMI技術を活用し、脳卒中後の重度運動障害向けリハビリの実現を目指す株式会社LIFESCAPESが、総額7.2億円の資金調達を実施(LIFESCAPE公式サイト)

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