「Meta Quest2」から見るVRデバイスの魅力と市場成長

「Meta Quest2」から見るVRデバイスの魅力と市場成長

この記事の要約

  • Meta Quest 2は2021年9月時点で販売台数1500万台を誇るスタンドアローンタイプの一体型VRデバイス
  • 高価格帯のVRデバイスより解像度などスペックがやや劣るものの、低価格と単独で動作する汎用性がニーズを広げている

Meta Quest 2とは?

Meta Quest 2(旧 Oculus Quest 2)とは、Meta(旧Facebook)が開発した一体型VRデバイスです。PCや専用コンソールなどを介さなくても、ヘッドセットのみで動作する(スタンドアローン)オールインワンタイプになります。容量の違いで2タイプありますが、128GBが37,180円で購入でき、周辺機器として他にコストがかかるところが有料アプリ以外はないところが非常に魅力的なデバイスです。

Meta Quest 2

主に流通しているVRデバイスの国内企業は現在7社程度ですが、スタートアップなどを含めると10社以上になると推定します。2022年には5K対応かつ軽量のVRデバイスを発表した話題のarpara社など、VRデバイスは今後も参画や拡大が増える注目の成長市場と言えます。

2021年までの販売台数と市場

2021年第3四半期時点でIDCの調査によると、2021年のVR / ARヘッドセットの出荷は前年比で348.4%と大幅に伸ばしています。そのうち一体型VRヘッドセットが89.8%と大半を占め、中でもMeta Quest 2は75%と最も高いシェアを誇っています。日本で徐々に販売台数を伸ばしていた2016年10月に発売されたPS VRは2020年1月の約3年間に500万台近く出荷、5年間で約750万台前後の売上と推測されています。これに対しMeta Quest 2は発売から約1年で推定800万台を超える売上で、PS VRを超えました。2021年9月の時点で1500万台の販売台数も発表されているので、2000万台に届く日も近いでしょう。

【参考サイト】ネタフル「Meta Quest 2」販売台数が約1,500万台とIDC調査」

この背景には、あくまでPS4・PS5の周辺機器であることからQuest 2のように単体で動作させることが可能であることと、128GBなら37,180円(税込)という手が出しやすい価格が影響していると考えられます。また、推奨されるオリジナルコンテンツがないことが拡大のネックに直結していることも想像に易いでしょう。2021年3月に現行モデルの次世代型を発売すると発表がありましたが、市場では同じくコスト面から見てもQuest 2のような爆発的な売上は見込めないのではないかとの見方が伺えます。

これまでのVRデバイスの進化とデメリット

PS VRのように「VR=ゲーム」の周辺機器としての認識が強いVRデバイスは、その世界に没頭できるよう高解像度のものが海外からも多く開発されています。しかしそれに比例して、高解像度を誇るVRデバイスは10万円以上と中々手が出しづらい価格帯がデメリットになっています。また、単体で動作するタイプと別途専用ハードウェアが必要なタイプとではユーザーの選択も異なります。
Meta Quest 2は前タイプのQuestより解像度が1.5倍になったとはいえ、他社のVIVEやPimax 5Kのような高価格帯のデバイスには解像度で劣ります。ゲームやその世界に没頭したいのであれば、解像度が高く軽量化されたデバイスを検討したいところです。メタバースを利用したイベントやウェブ会議などが増えてきた今日では、やはり手が届きやすいデバイスで試したいというライトユーザー層を獲得していくことが市場拡大への近道なのではと考えます。
軽量化や高解像度の差別化も重要ですが、今後は「何に」利用するのかを焦点にすると、ユーザーがVRデバイスを検討する選択肢を広げるでしょう。
次回はQuest 2による新たなVR活用の可能性を話題にしたいと思います。

【情報参照】
「2021年、VR/ARヘッドセット出荷台数は1,000万台に迫った――IDCが発表」(Mogura VR News)

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